コイアイ〜幸せ〜

「待たせて悪かったね。僕も会いたいと思っていたよ」


カチャリと扉が開く音がして、尾田直人が入ってきた。


「リライズコーポレーションの山下です。覚えてくれていたんですね」


「もちろん、君のような綺麗な人、一度見たら忘れない」


あ、それ、何度か聞いたことある。こういうのに限って覚えてないのよね。
ちゃんと名乗ったから、ちゃっちゃっと思い出して下さいね。


「ありがとうございます。今日は、お時間を取っていただいてすいません」


「いや、大丈夫ですよ。まぁ、座って下さい」


ん〜、どうやって切り出そうか。


「はい、先日の企画では大変お世話になりました。登録者数も増えましたし、売り上げも伸びました。尾田様の知名度には、正直、とても驚かされました」


「いえいえ、僕なんて。貴方のところの松本さんにはかないません」


お互いに、腹の探り合いかぁ。
ま、時間もあんまり取ってくれてなさそうだし、今日のところは、軽めのジャブにしておこう。


「今回はお礼をかねて挨拶にうかがったんですが、私、興味が出てきたんです」

「僕に、ですか」


ほら、食い付いた。