恋風船



「同じクラスになってチャンスだと思ったけど志穂がいた。よりによって大事な友達だったんだもん」


「志穂はきっとあたしの気持ちに薄々気付いてる。だから遠慮してると思うの。だって
あの子あたしから見ても坂本のこと好きだよ。悔しいけどあんたたちお似合いだよ」


安井の目に溢れる涙を見たら俺は少し悪い気がした。


でも謝ればきっと安井は怒る。


「…ありがとう」


「行こっか」


安井が笑って言う。


島田のことが好きなんだなって分かる。


大事な友達って伝わる…この2人は。