「『羽根』という化け物は、元々私たちの仲間なのです」
「仲間、ということは、良い化け物だったんだろ?」
化け物とは昔から共生すべきと教えられた俺は、何故か友だちに人ならざるモノってやつが多かった。
その友だちから、天使の仲間は人に協力的だと教えられていた。
スズナは、頷いて話を続けた。
「ええ、だから私が来たんです。『羽根』は、宝玉に捕らわれてしまった可哀想な天使ですから」
「宝玉に捕らわれた?」
「『羽根』が持っている宝玉です。その宝玉の遺志に、精神をもっていかれているようです。あの宝玉は、遠い昔に封印されていたはずなんですが……」
ふむ。
「誰かが、誰かが"あの子"に宝玉を渡したのは間違いないのです! ですから、助けるためにここに来たら」
「襲われた、と」
俺がそう言葉を続けると、女の子は悲しそうな顔をした。
可愛い女の子に、悲しそうな顔をされると良心が痛む。
「すみません。カガリさまは、人間だから相談しても困らせるだけですね」
わ、わかってやってるんですか?
そんな風に言われたら、なんとかしたいよ男は!いや、俺は!


