「どうして、ここに?」
「羽根に、追われていたんです。あ、私の説明の方を先にした方が良いでしょうか?」
「うーんと、自己紹介からしたい、かな」
羽根に追われていた、と理由はとりあえず分かった。
何か、化け物に追われていた、ということなんだろう。
翼をもつ女の子に、羽根に追われていたってどういうことかよく分からないけど。
まあ、なら自己紹介しとかなきゃ。
この子、なんかしばらく家にいるみたいだから。
「あ、自己紹介遅れましたね。私、ソルベーラ王族の天使で、スズナと言います」
「えと、俺は人間の川崎カガリ。よろしく」
「え? あなたは、人間?」
俺が人間だと自己紹介すると、不思議に思ったのか首を傾げたスズナ。
いやいや、人間を疑問に思われたら、俺は何だって言うんだ。
「そう、ですか。まあ良いです。気にしないで下さい」
「はあ。気になるけど気にしないよ。まだ、人間でいたいからね」


