数日後の夕暮れ、縁側で葉桜になり始めた桜の樹を、 今は横になってではなく、 洗濯物をたたみながら、眺めていた。 と、その時、 「伽羅!」 懐かしい声に、顔を上げる。 そこには、 咲耶ちゃんの姿ーー 「咲ー」 呼ぶ前に、思い切り抱きつかれ、 私と咲耶ちゃんは、洗濯物に埋もれた。 言葉を交わす前に、 埋もれた洗濯物の中で、 私達は笑った。