桜ノ籠 -サクラノカゴ-


「やめとくよ」

ふ、
と笑いながら答えると、

青磁先生は私の手をとり、
しっかりと繋いだ。


「帰ろう、伽羅」


お店の扉へと歩き出し、
優しく私の耳元で囁く青磁先生の声。





そして、



「さよなら〝松永さん〟」




振り返る事なく、




そう、

告げた。