桜ノ籠 -サクラノカゴ-



「ただいま」

玄関のドアの開く音がして、
青磁先生の声が聞こえた。


私は急いで、涙を拭った。



いつもなら、すぐ上がってくるのに、
玄関から、青磁先生の気配が消えない。



気付いたんだ。

私の茶色いローファーの隣、


浅葱色のヒールの靴にー…