「それに、伽羅ちゃんが生まれて間もなく離婚して、伽羅ちゃんは伽代さんに和季君は父親に…。
以来、兄妹一度も会ってなかったらしいわ」


「そういえば、一宮がウチの高校に入学して俺が会った時は、父親と2人暮らしだっていっていたな」

懐かしそうに、青磁は微笑む。


「そう…。
でも、和季君と暮らしてた父親が何年か前に再婚して…色々事情があってね。
…結局、伽代さんに引き取られ、三人で暮らす事になったのが、2年前…」


「ああ、一宮に聞いた事がある、13年ぶりに妹と暮らす事になった、って。あいつ喜んでたよ」
 

なのに…、と青磁は悔しそうに煙草を揉み消した。