過去の空




「…さん!千裕さん!」


ぼんやりとする意識の中、

誰かから

名前を呼ばれている気がする。



「う…、ん?」


重い瞼を上げると

スタジオに居たスタッフが

不安そうな顔で、俺の顔を覗き込んでいた。



「千裕さん、大丈夫ですか?休憩時間過ぎても、帰って来ないから、探してたんですよ?」


「あー…わりぃわりぃ」