丘の上の大きな木の幹に
もたれて座る




風が頬を撫でて
涼しい





「来たって何もないのに」




「杏が僕のところに来るのと同じだろう」




「……違うわ」




「何もないよ。僕のところに来たって」




「あなたがいるだけでいいの。
分からない?」




「分かんないね」




「……そう」