香代子は22歳の大学生

就職活動に専念する毎日を送っている

暑い中スーツを着て面接に向かう毎日

自分が本当に行きたいところも分からない

自分は一体なにをしたいのだろう

そう悩む日々に飽き飽きしていた




今日も面接

早く決まってしまえと思いつつ

どこか迷いがある自分

香代子はとぼとぼと

会社への道のりを歩いていた

面接までまだ時間がある

喉が乾いたのでジュースを買うことにした

カランカラン...

コンビニの中は涼しく

香代子の気分は少しだけ晴れた

「お茶か‥ん〜‥‥やっぱり水かな」

悩んだ末に香代子は水を手にしようとした

「あ‥っ」

そのとき誰かと指が触れた

同じ水をとろうとしたのだった

香代子は慌てて手を引っ込めた

「す‥すみません!」

思わず謝った香代子

「あ、ごめんね、俺のほうこそ」

低くてとても魅力的な声だった

そこには

長身でソフトマッチョ

顔は市原隼人似の男性が立っていた

香代子の頬は赤く染まった

「あ‥はい、よかったら」

男性は香代子に水を取って差し出した

「あ‥ありがとう‥ございます‥」

水を受け取って呆然と立ち尽くす香代子

男性は自分も水をとり

レジへと向かっていった

「あ‥やばい!」

腕時計を見て我に返った香代子

水を持って慌ててレジに向かい

そのまま面接へと急いだのだった

これが恋の始まりだとも気づかずに