私とケン

でもケンには届かなかった。

ケンは何の反応もしなかった。聞こえていない。反応の無さが
そう物語っていた。
普通の人なら、風が強い日だったし、私もそんなに大きな声では言っていないし、
突然言ったのだから聞こえてないのも無理は無いと思うだろう。

でも、悲しい事に私にはわかった。


ケンは聞こえていたけれど、聞こえていないフリをした。

私とケンは付き合いが長かったからこそ気づけてしまった。


私は、フられたのだ。


ケンは少なくとも私の事を好きだったはずだ。
これは恥ずかしくなく言える事実だ。

ただ、LOVEではなくLIKEだった。