「ちょ、あい。あんたのことおぼえてたじゃない。よかったね。」

そう言って肩を叩く美香に私は現実に引き戻された。

「…よかったのかなぁ…。」

私はまだわからない。

これでよかったのかなんて。

だって、いくらおぼえていたとしても、しょせん幼なじみなのだ。

きっと、自分がつらくなるだけ。