カラオケで春樹が曲を探してると、

『何かリクエストある?今日はお前の好きな曲ばかり歌ってやるよ。』


春樹は私のリクエストに答えながら、

甘いラブソングを選んだりすると


『いやマジ恥ずかしい曲ばかり選ぶのよ!!』


とか言いながら、得意じゃない曲でも歌ってくれた。


春樹は歌がもの凄くうまい。
バラードやロックまで歌いこなす。
声量まであるから、隣で聴いてると本当に感動するんだ。



この日も歌に聴き入ってたら、




「…っ!」


歌の合間に私は唇を奪われた。


その後も何度も何度もキスをしてくる。



友達になったんだと思ってはいるけど、どうしてもキスを拒めない。



しばらくすると、春樹は私の気持ちも気になったのか、一方的なのが嫌なのか、


『キスして。』


と、私に求めてくる。







好きな人とキスをするのに、なぜこんなにも辛くなるんだろう。



危険な香りがしながらも、


結局は逃げる事なんて出来ないんだ。