残された少女の瞳に涙はもうない。


少年が口をつけずに残していったコーラを一気に飲み干し、まだ止む気配のない空に目をむけて悔しそうに顔を歪ませた。



「やっぱり何でもわかっちゃうんだ」



 でも大事な事は伝わらなかった
  あなただけは、信じてたのに



少女は追うことが出来た。
本当は伝えたかったのに。
少年は戻ることが出来た。
本当は気付いていたのに。


しょせん、ただの自己防衛。
傷付ける事でお互い自分を守っただけの事。
本音を言わずに逃げ出したの。

だからね、お互い様ってこと。
それだけ。