小さい声で 「睨んでも無駄」 て言うと私の唇にあいつの唇があたった 周りでは、キャーキャー騒いでいたのが、一瞬だけ静かになって、また所々から悲鳴が聞こえてくるが、私の耳には聞こえなかった 私の唇に当たったものが何か認識できるまで時間がかかった 認識できたときには、もう茹でだこになっていた 立花愁を睨むと、フッと笑っている そして、「帰るぞ」と言って、私の手を掴んで教室から出る 手がいつの間にか繋がれていた 後ろや周りからさっきから悲鳴が絶えない