しゃぼんだまと道化 *28page*





ひっくひっくと鳴る胸に、またギュッと強く抱きしめられる。



「うぇっ‥く」



柔らかい風がボクたちを吹き抜けて、女の子の髪の毛がさわさわとくすぐったい。




そしてボクは、ついに‥




「泣かないで」





ーー‥声をかけた。






「‥えっ」



驚いたような声を出した女の子は、キョロキョロと辺りを見回す。



「ここだよ」



ボクは声をかけることしか出来ない。

動けはしないんだ。



「まさか‥」



女の子はボクの顔をまじまじと見ると、



「お人形さん?」



ビックリしたように、
不思議そうに、

首をかしげた。



「こんにちは」

「やっぱり」



大きなアメジストからはもう、ダイヤモンドは零れていなかった。