ひっくひっくと鳴る胸に、またギュッと強く抱きしめられる。
「うぇっ‥く」
柔らかい風がボクたちを吹き抜けて、女の子の髪の毛がさわさわとくすぐったい。
そしてボクは、ついに‥
「泣かないで」
ーー‥声をかけた。
「‥えっ」
驚いたような声を出した女の子は、キョロキョロと辺りを見回す。
「ここだよ」
ボクは声をかけることしか出来ない。
動けはしないんだ。
「まさか‥」
女の子はボクの顔をまじまじと見ると、
「お人形さん?」
ビックリしたように、
不思議そうに、
首をかしげた。
「こんにちは」
「やっぱり」
大きなアメジストからはもう、ダイヤモンドは零れていなかった。

