すごく、疲れた気分だ。
先生の気持ちもよく分かる。
こんな双子と一緒にいたんじゃ、どれだけ体力があっても持たないと思う。
「むむー…」
「何か、ホントにいい感じじゃないの」
「ふーちゃん、ケンちゃんのこと嫌いになっちゃったの?」
「倦怠期?」
「だから、気色悪いこと言ってんじゃねぇよ。腐女子共が」
…半分以上が理解できない会話を聞きつつ、そういえばもう一人の姿が今だ見えないのだがと首を捻る。
三人が別に気にしていないのなら、気にすることもないのかな。
「あの、先生?もう一人の方は探さなくていいんですか?」
そう言葉を発すると、ピタリと動きが固まった。
先生は呆れたように肩を竦める。
双子はどうやら本気で忘れていたらしい。
「あー…どうしよっか、楓?」
「知らないよ、椿」
二人は顔を見合わせると、苦笑いを浮かべながら罪のなすりつけ合いみたいなことをし始めた。
「だって楓が、ケンちゃんなら放っといても大丈夫って言ったんじゃん」
「楓は放っといても大丈夫って言っただけであって、椿が本気にするとは思わなかったんだもん」


