ブンブンと頭を振って、切り替える。
「ちょっとちょっと奥さん、藤島さん宅の旦那さん女の子とイチャイチャしてますわよー」
「あらまぁ、ホント。けしからんことですわよねー」
双子は顔を寄せ合って、ヒソヒソと話しているようだが、わざとなのか思いっきり聞こえている。
その様子に先生は、はぁとため息を吐いている。
「オイコラ、田岡シスターズ。お前ら、誰がここを知らせてやったと思ってやがるんだ」
「まぁまぁ、奥さん!何て言葉遣いなんでしょう!」
「いやですわ!最近の若い人は!」
段々声が大きくなっている双子に、先生は苛立ちを隠しきれていない。
ピクピクと頬を引き攣らせながら、今にも暴れだしそうな拳を握り締めている。
私達もいる手前、下手なことはできないと思っているのだろうか。
実年齢がどうあれ、見た目年齢未成年の少女達に暴力を奮うわけにもいかない。
さりげなく、先生の服の裾を持って落ち着くように言ってみる。
すると、先生は驚いたように私を見ると、苦々しい表情でもう一度ため息を吐いた。
私もホッと胸を撫で下ろす。


