先生の秘密



「げ」


先生は、本気で嫌そうな顔を見せる。


その反応と先生の言う特徴から、二人がシスターに用があるという双子なのだと分かった。


双子は、この教会まで先生ともう一人のお連れさんを無理矢理連れて来たらしいから、てっきり友達だと思い込んでいたのだが、先生と同じ程の年齢には間違っても見えなかった。


精々、中学生か高校生くらい。


泣きぼくろがある方が、腰の長さ程ある髪をおさげにし、もう一人の方が、肩にかかる程度の髪を緩くウェーブにしている。


だから、まるっきり見分けがつかないわけではないが、泣きぼくろを隠すメイクとカツラを被って変装でもしたら、確実に分からないだろう。


特別可愛いというわけではないが、周りを自分達のペースに飲ませるのが上手いタイプのようだ。


甘え上手で、アメとムチの使い方を心得ていそうな、良く言えばリーダーシップを取れる、悪く言えば我が儘な少女達、といった雰囲気か。


他人を見る目に優れているはつかも、大体は同じ見解なのだと思う。


そこまで考えて、はたと固まる。


いやだ。また、人を吟味する癖が出てしまった。