クルリちゃんは私達の一部始終を見ながら、先生に切り出した。
さすが、何年も私達のやり取りを見てきただけある。
タイミングの取り方はピカイチだ。
「孤児院の方で見たよ。そういえば、誰か探しているみたいだったけど」
「多分、そのシスターを探していたと思う」
一斉に、隅の方で子供達と遊んでいたシスターの方に視線が集まった。
「…あらあら、すれ違いになっちゃったのかしら」
シスターは、ホホホと上品に笑う。
先生はそれを確認すると、携帯を取り出した。
一旦、外に出て、すぐに戻ってくる。
その双子に電話でもしたのか。
「すぐに、来るそうです」
「相変わらずのようね」
先生の話では、大分活発そうな双子のイメージだが、果してどんな人達なのだろう。
シスターに世話になったというのも、気になる。
シスターの世話になるのなんて、大抵訳ありの少年少女達が大半だからだ。
シスターは、万引きGメンだったとか、少年院の更正係だったとか、そんな根も葉も無い噂が飛び交っているらしいが、あながち嘘ではないかもしれない。


