バナナオ・レ






「何それ。

・・・まあ、ありがとう」

嬉しさの動揺を隠すために、あくまで平然と。

引っ掛けられた女の1人になりたくないから。



「本当だよ。

こんなの思ったの妹ちゃんが初めて」



・・・またそんなこと。

夢見る前に止めてほしいよ。



「"妹ちゃん"だもんね」


嫌味っぽく言った。

だってそうでしょ?

ちっこくて妹みたいだから可愛く見えるもんで。



「俺の妹だからなあ~」



ほら、やっぱり。

慶太はあたしの事、何とも思っていない。

ってあたし何でこんなに気にしてるんだろ・・・


別に好きじゃないのに。