ーバキィッ…




「先輩!!」




口ん中に鉄の味が広がる。




少し切れたか……




「よけらんねぇのか?」




得意げに笑う男。




名前は確か……




「石谷さん…だっけ?」



「あぁ?なんだよ?」



「…俺達、警察はな…一般市民を守る事はあっても傷つけちゃなんねぇ。何があってもだ」



「ハッ…それが何だっつんだよ?俺に殴られた理由か?」




口の中の血を吐き出す。




「さぁ…どうだろうな?」



「何が言いてぇんだ!!」




また殴りかかってくる石谷




ーバシッ




今度は拳を受け止める。




「…!!」



「お前が善良な一般市民である限り俺はお前を傷つけない。」




ーミシッ…




握った拳に“少しだけ”力を込める。