「何か食べたい物とか、リクエストある?」
走行中、
栗塚さんが私に聞く。
んー‥
「特には……栗塚さんって普段何食べてます?」
「俺?んー‥基本食べないよ?俺」
「は!?」
「ぇ、何、ダメ?」
「ダメに決まってるじゃないですか!ただでさえ、刑事の仕事なんて体力使うんですから!不規則な食生活はいけませんよ?刑事は人間に必要な睡眠・食事がまったく足らないんですからね!なんですか!その目の下のクマは?ちゃんと寝なさい!!!!」
ビシッ!!と人差し指で栗塚を指す。
で、
我に返った。
「…………」
「……………」
や、ヤベー…
年上に説教しちまった!
私のバカ!!
「え、えーと……」
「フッ……クク、ハハハ」
笑われた。
一気に顔に熱が集まってきた。
「す、すみません…なんかエラそうに説教なんて…」
「あぁ、ごめ…違うんだ…」
未だに笑う栗塚さん。
なんか、いつも無表情な感じなのに……
いきなり笑うのは、
なんか、
ズルいー……


