「どうしたの?」 なかなか座らない私に栗塚さんが聞いてきた。 「あ、いえ…助手席とか彼女に悪いかと……」 「あぁ、いないよ。彼女」 え、嘘。 めちゃくちゃいそうな…… 「いないって、この仕事してて女両立できるほど器用じゃないし」 なんか… 意外、 器用に見えますが。 「それに乗せんのは神田ぐらいしかいないし」 「ブッ」 思わず笑っちゃった。