火が燃ゆる。




広がっていく火の中




石谷達が逃げていく




さっき、
携帯も取られた。




とうとう、終わりだ。




「あーぁ…この記事、書きたかったなぁ…」




炎が近づいてくる。




死にたくない




大事な人達と、離れたくなどない。




しぃに遥に凜




神田や編集長




栗塚さんも




胸に着けているペンダントが熱い。




…きっと、
私が死んでも、しぃが書類を栗塚さんに渡してくれる




栗塚さんなら
きっと、犯人がわかるから




知り合ってから日は浅い筈なのに、




あの人なら、




きっと……




煙で息が苦しい




炎の熱で、
全身が熱い。




私は静かに、目を閉じた