†side:壱十†




『もしもし!栗塚さん!?今すぐ工場に……キャッ!!』



「夏梨名ちゃん?どうした?夏梨名ちゃん!!」




夏梨名ちゃんから来た電話。




「夏梨名ちゃ…」




ーブツッ!ツーツー……




連絡が途絶えた。




「チッ………」



「先輩?夏梨名ちゃんからですか?どうし……」



「工場だ。」



「え?」



「工場に行け。早くしろ!」



「は、はい!!」




車は工場へと向かう。




最後に、かすかに聞こえた男の声




あの声は確か……




「石谷……」