時間が流れるにつれ、図書室の利用者も減っていき


いつのまにか先輩と私の2人っきりになっていた。


―パラっ…パラ…

本がめくる音。


―カツカツ…

シャーペンの音。



窓の外からは野球部の声が小さく聞こえる。




時々先輩のいる方を見て様子を伺う。



話しかけたいのに出来ない自分がもどかしい…。



こんなに近くにいるのに勇気が出ない……。




ほんの少しの勇気。


それさえあれば


きっと怖いものなんてないのに。



私だけが意識していた2人きり…


だけど、無償にも時間は静かに流れ過ぎるだけだった。