―次の日。
いつも通り学校に行く。
朝のHRから機嫌悪い先生も、みんな見慣れただろう。
特に、ダークブラウンのネクタイをしてくる日は、いつにも増して不機嫌。
毎回なんで教師しているのか不思議になるんだけど…。
「…ねえ。片桐」
先生の顔をぼーっと眺めていると隣から話し掛けられた。
綾瀬 雪弥 -アヤセ ユキヤ-
高1の時から同じクラスで、高2になった今も同じクラス。
よく、話す仲でもある。
「ん?何。」
先生に聞こえないようにひそひそ声。
まあ、私達の席は一番後ろだし聞こえるはず無いんだけど。
「…冷徹先生、ダークブラウンデイだね。」
冷徹先生…。
ダークブラウンデイ…。
先生は、見ての通り無愛想だから冷徹先生って呼ばれてる。
…もちろん陰で。
先生に面と向かって言える人なんかいないから。
そして、冷徹先生が最高に機嫌悪い日。
ダークブラウンデイ
まさに…今日。
