「…先生は、なんて呼ばれたい?」
いつものように数学準備室で、先生と過ごす。
ただ、違うことは先生が机に向かって採点していることだった。
これ…。私いて大丈夫なのかなあ?
少し不安になっていると、先生が目線も上げずに答える。
「…先生で良い」
「そっか。先生は、このプレイが気に入ってるんだー。生徒としての私が好きなんでしょ?」
わざと先生を挑発するように言った。
結構単純な先生は、ソファーに座る私に視線を送って、眼鏡の奥の瞳をギラつかせる。
…予想通りのハズだった
「…生徒のお前に惚れたんじゃない。片桐の全部に惚れたんだ」
…初めての
極上の笑み。
…ずるいよ。
こんなの。
ときめかないほうが
おかしい。
