急に立ち止まった先輩達を抜かそうと、少しだけ歩く速度を変えた時…
「…でも、冷徹だって生徒に手出してるじゃん〜」
茶色の長い髪を指先でくるくる回しながら言う先輩
…私は、自分の体が強張っていくのを感じた
「ほら!…確か2年の〜…」
…名前も知られてるの?
聞きたくない…聞けない
―先輩の声を遮るように、私は目の前にいる集団を突っ切った
途中で足が痛むのを感じたけど気にせず先輩の声が届かない位置まで走る。
「っ!…は…っ」
人がいることも関係無くその場にしゃがみこんだ
―噂…。あんなのただの噂
そう頭では思うのに先輩の声が言葉が頭から離れない
先生が…
2年の生徒に
…手出してる
