秘 め ご と 。



「石川先生ごめんなさい…。前を見てなかった私が悪いんです」


私は、瞼を閉じずに目を大きく開いて涙をうっすら溜めてから言う


「…本当にごめんなさい…っ」


俯いて言ったら、涙が頬を伝った。…やりすぎ、かな?


慌てて顔を上げると、プリントを集めていた綾瀬くんが私の手を握っていた



「…那菜っ!大丈夫だって〜」


「おい…!片桐、か!泣くことないだろう。どっか痛めたか?」



みんな私を心配そうに見つめていた。失敗…!やっぱり…やりすぎた感があるよね





―そんな中で石川先生だけは、私を冷めた目で見つめていたね