早くもバテた私は歩くことにした。 『バテんの早すぎだろ…!』 いつの間にか追いついてた綾瀬くんも、走るのをやめて隣を歩く。 『誰にもバレないことを優先させたの』 『スタートずるしたくせにな〜』 『どこかのお馬鹿さんが、本当に引っ掛かかるとは思わなかっただけ』 『お前ねー!せっかく優しい俺が一緒に歩いてやってんのにねーっ』 『…あ。あんまり近寄らないでね?』 『ばかっ。片桐の冷徹!ドライアイス!』 小声で会話しながらひたすら歩く。もう少しで東廊下かなー…。