秘 め ご と 。



若干、気恥ずかしい気分になったけど私の気持ちも伝えないとね…。



「でも私はっ…先生に教師続けて欲しいんです」



目の前の先生が少し眉をひそめたのがわかった。それでも私は続ける。



「気づいてないかもしれないけど、先生は学校でも前より表情が柔らかくなったし…数学を教えてる時の先生は、私が見てきた先生の中で一番輝いた顔してます」



だから簡単にバレる訳にはいかないと私が続けると、先生は手を伸ばして私を引き寄せた。



「…俺が悪かった。お前がそんなに考えてると思わなくて」



すぐ近くで聞こえる先生の声。伝わってくる先生のか私のか、わからない心臓の鼓動。らしくないバニラの匂いを放つ先生。