「恋人同士で歩くのはまずいか?」
先生は腕組みをしたまま、突っ立てる私を不思議そうに見つめる。
そっちか!先生は、とぼけてるだけ?それとも…。
「…先生。恋人である以前に先生と生徒です」
「それなら、先生って呼ばなければ良い」
いやいやいや…。
そうゆう問題でもなくっ!
真面目に答えてくる先生が全く読めない。
「俺も…名前で呼ぶから」
…そしてそこで少しはにかむ意味もわからない。名前で呼び合えば済むってことじゃないのに。
「見つかったら大変だってことです」
私は、ソファーに座り直して少し呆れながら言う。
「…変装…するのか?」
はい…?
「そこまでして行きたいんですか!てゆうより、何がしたいんですか!」
「………デート。」
ボソッと話す先生に私は盛大な溜め息をつく。
この人…。
本当に冷徹先生な訳?
これが素顔だったりする?
