秘 め ご と 。



━さっきから私、
片桐 那菜は不機嫌だ。



理由は…

目の前で長い足を見せつけるように組んで、優雅にコーヒーを飲んでいるこの男にある…。


「先生。明日、仕事じゃないんですか」



「ああ。…行かないけどな」


「そんなんで良いんですか。先生は、先生失格です」



「学校で仕事するなら家でする。実際、職員室行かない」



「……。ぶ…部活は?」



そうだ。先生は、弓道部の顧問をしていたはず…。



「俺、副顧問だし。数合わせでお願いされたくらいだ。」



…っ!
この冷徹先生…。


顔がちょっと整ってて、声も良くて、背も高いし良い感じに筋肉ついてて、料理も出来て、

滅多に見せない笑顔が直視出来ないくらいかっこいいからって。