本鈴のチャイムが鳴って少し経ってから教材を抱えた先生が入って来た。
いつもと変わらない態度に安心し、少し拍子抜けした。
「…さすが冷徹。」
綾瀬くんが呟くのが聞こえる。
私は、笑いを堪え授業に集中した
授業は普段通り進んで行く
先生は、無愛想だけど教えるのはすごく上手。
愛想良くすればモテるのに…とか思っていると、
先生が回って来た。
朝のこともあって、すごくドキドキする
しかし、先生は私の横をすぐに通り過ぎようとする
ふう…。と溜め息を吐いたと同時に持っていたシャーペンを落としてしまった
━カシャン
すかさず拾おうとした所で、
先生の手と触れ合う
咄嗟に離そうとする指を、がっちり絡ませられた
そして…
先生はしゃがみ込み顔を近付けてくる
普段は絶対しない行動に、私は動揺を隠せない
…隣の綾瀬くんも、みんなも気付いてるのに。
耐え切れなくなった所で先生が指をパッと放した。
「片桐。熱あるんじゃないか?顔…真っ赤だぞ」
最悪…。
この人は
性悪すぎる
