初めて入った先生の部屋はとても広くてお洒落だったけど、意外に少し散らかっていた。
…神経質そうなのに。
私が、隅々まで見渡しているとまだ手をつないでいたままの先生が少し恥ずかしそうに俯いて
私を黒い革のソファーに座らせた。
「…せんせー。無口すぎ」
ここに来るまで全然話さなかった先生に私は少し口を尖らせて言った。
…全然話さないけど、無表情でもないんだよね。照れたりしてるし。
対面式のキッチンに入った先生が私と目を合わさずに喋る。
「…あんまり慣れてないし。なんとゆうか…」
いつも冷たいくらいはっきり話す先生の、初めて見たおどおどした話し方に、先生がすごく愛おしく感じた。
