秘 め ご と 。



「ぷっはあー!まじびびった!」



先生がいなくなるのを確認すると、綾瀬くんが息を止めていたかのように勢いよく息を吐き出した。



「…お疲れー。」



私は、軽く笑いながら言う。クラスのみんなも一気に騒がしくなる。



「片桐も〜!ナイス返しだった!
キスマークなんてよく見つけたなー」



「…ふふ。先生の粗探ししてますから」



「さすが優等生!…なのか?つか、冷徹先生もキスマークとかあるんだな〜」



「だからね〜。びっくりし…」



1時間目の教科を確認した私の手が止まる。



「…次、数Ⅱ…。」



先生の教科だ。
これはまずい。
放課後ならまだしも、
授業中は何するかわかんない。



私は冷や汗をかきながら1時間目が始まるのを待った。