伝えていいのか分からずに逡巡する私の瞳を見て、ケイがまるで怯えた子供をあやすように、私の掌を両手で優しく包む。
その温もりに、私の凍りついていた心は溶かされて行った。
「ケイが……好き。
ケイが居ないと…生きて行けない程に。
もうケイ無しじゃ居られないの…。」
溶け出した心は留まる事を知らず、透明な液体になって全てをさらけ出す。
一気に溢れ出して震える心と掌を、ケイの大きな手は離さずに包み込んで居てくれた。
『エリカ…やっと言ったな。』
まるで答えを分かり切っていたとでも言うように、変わらない優しい笑顔を見せると、当然だとでも言うように掌ごと私を引き寄せた。



