昨日は確かにケイの熱にドロドロに溶かされて行く感覚があったのに…。
残念なような当たり前のような気持ちで、自分の掌をしげしげと見つめていると、大きくて暖かい手に掌が包まれた。
まだ良く働かない頭でぼんやりと大きな手を見つめていると、隣で大きな影が動く気配が伝わって来る。
『…起きたのか?』
聞き慣れた懐かしい声のする方に顔を向けると、
片目を開いて眩しそうに私を見つめるケイが居た。
少し寝乱れた色素の薄い髪が日に透けて、ウィンクするような恰好で見つめて来るケイからは、たまらなくセクシーな雰囲気が漂っていて
まだ寝ぼけていた私の心臓がドキリと音を立てて、早鐘を打ち出す。



