ケイの大きな手が、力の入らない私の腕を優しく掴む。
『どうせこうなるのに、抵抗なんてするだけムダだろう?』
こんなにもフニャフニャになってしまうまで私を抱いたのに、ケイはまだ満足していないのか、汗でしっとりと濡れる淫靡な顔で私を見下ろす。
「ケイの…せいでしょう?」
言葉を繋ぐ事さえやっとなのに、ケイは余裕のあるそぶりで私の腕に口づけて来る。
『悪いけど…久しぶりだから止まりそうにない。』
口づけられた腕から唇を離すと、そう呟いて私の首筋にキスを落とす。
再びケイの手の上で転がされて…
ぼんやりと霞んで行く意識の中で、ゆっくりと溶けて行くグラスの氷が瞼の裏に浮かんだ。



