旅立つ前は、あれだけ私を抱いていたケイが、この1年の間誰とも関係を持たずに居たなんて思っていない。
それ以前に、彼氏でも彼女でもない私達には、そんな事を責め立てる権利もないのだから。
目の前でコロナを飲むケイの姿に懐かしさを感じながら、もしもケイに終わりを告げられたら…引き際だけは綺麗な女で居ようと心に決めた。
今日のジーマはいつもよりライムが効いている気がして、口に含む度に涙が込み上げて来そうになる。
半分以上ジーマを口に流し込んだ所で
これ以上飲めば確実に泣いてしまいそうになると思った私の手が止まった。
『エリカ、飲み過ぎじゃないのか?』
ジーマを口にする私の手が止まったのを見て、ケイが少し心配そうに見つめる。
「大丈夫よ、ケイ程じゃないわ。」
泣きそうな気持ちを悟られてはいけないと、口をついて出るのは強がりの言葉ばかり。



