「旬のものと、日本ならではの
もの、か……」


「そっ。

むしろ20種類もあんなら、ある
イミそれ入れんのは必須だな。

で、全体的なバランスとかも
考えると――」


「――そこから、他のものを
考えてくこともできるわけね」


言葉尻を引き取って答えたあたし
に。


爽介は『そーゆーコト♪』って
ちょっと偉そうな笑顔を浮かべる
と、スッとグラスの片方を差し
出した。


少し背を伸ばして、それを受け
取って。


クルクルとグラスを回しながら、
あたしは少し考えてみる。


開催は12月だから、その頃に旬な
日本の食材っていうと……。


「みかんとか柚くらいしか思い
付かないけど……」


「いいと思うぜ。

柑橘類とチョコは相性いいからな」


ワインを一口飲んでから、爽介は
サラリと評して、


「けどま、時間はまだある。

今ここで焦って決める必要も
ねーよ。

それよりお前は、今日はオベン
キョーだろ?」


「……それもそーね」