《完》極上☆SWEETS!!② 〜蜜色の凱旋門〜

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説明会が終わって、解散の号令が
かかると。


各自が席を立ち始めて騒がしく
なった室内で真っ先に声を出した
のは、矢崎さんだった。


自分の仲間にじゃなくて……爽介に。


「お疲れサマ

イロイロと発表になって、やっと
スッキリした感じだな」


……矢崎さんも、本選の内容が
わかんなくてモヤモヤしてたのは
一緒だったのかな。


「そーっスね」


椅子を直しながら短く答えた爽介
に、矢崎さんは続けて、


「お互い仕事と両立は大変だろう
けど、頑張ろう。

桐生クンの予選の作品はすばらし
かったけど、僕も負けないよ」


冗談めかした言い方だけど、
キッパリと言ってのける。


でも、普段モードに戻っちゃえ
ば、爽介だって負けてはいない。


「オレだってそのつもりですよ。

まあお互い、できるだけのこと
やりましょ」


「あぁ、そうだな」


気さくに頷いた矢崎さんの背後
から、ツカツカ歩み寄る足音が
迫ってきた。

――松岡さんのヒールの音だ。