《完》極上☆SWEETS!!② 〜蜜色の凱旋門〜

薄い笑みを頬に張り付けたまま、
落ち着いた口調で、


「矢崎圭吾です。

ショコラティエという肩書きでは
ありませんが、選出して頂いた
以上、全力を尽くすつもりです。

開催期間中は敵味方関係なく、
桐生チームの皆さんも協力し
あっていきましょう。

勝敗は、作り上げたものだけが
決めてくれますから」


流れるような調子で言って最後に
フッとほほ笑むと、矢崎さんは
静かに腰をおろした。



――なんってキザな自己紹介


思わず口をポカンとあけてマジ
マジと隣を見ちゃったけど、
本人は気にもしないで涼しい顔で
座ってる。


事務局の人もあっけにとられたの
か、ワンテンポ間をおいてから
ハッとしたように、矢崎さんの
奥に座ってる人に向かって声を
かけた。


「では、松岡様――」


名前を呼ばれて立ち上がったの
は、女の人。


それも、カナリ印象強めの。


歳はたぶん30代。

グラマラスな体に、胸とかやたら
強調するデザインのワンピース
とジャケット。