《完》極上☆SWEETS!!② 〜蜜色の凱旋門〜

事務局員の誘導に従って、続けて
新条さん、雫が挨拶。


ふたりとも、名前とマネージャー
&パティシエだってことを話した
くらいだったんで、あたしは
ホッと胸を撫で下ろした。


これなら、あたしも名前言うだけ
でもよさそー。


目線で促されて、あたしは立ち
上がると、


「神月亜莉紗です。

えっと――パティスリー・ルナで
ホールスタッフをしてます」


それだけ言ってペコッとお辞儀
して、オシマイ。


その後マッキーと鈴原さんが挨拶
して。


「では次は、もうひとりの代表
選手、矢崎様お願いしますね」


カタッと椅子を鳴らして、あたし
の通路を挟んだ隣で矢崎さんが
ゆっくりと立ち上がる。


爽介はこーゆーの苦手なことも
あってセカセカした動作だった
けど、なんか矢崎さんはヨユー。


爽介よりも5歳以上は年上だろう
し、コンクールも何度も受賞して
るから、慣れてるのかな。


全員が見守るなか、矢崎さんは
少し下がってたメガネのフレーム
を、細くて長い指で上げて。