『ちょっと待ってくれ。

できれば、自分にも運ばせて
くれないか』


フランス語で、そう、言ってた。



スタッフ達は二言三言話して、
相談してたみたいだけど。


自分の作品ならまぁいいかって
結論だったみたい。


うちひとりがポジションを譲って
、代わりに爽介をそこに入れて
くれた。


『審査員にアピールとかは一切
しないで下さいよ』


そう注意されるのに頷きながら、
爽介は他の3人と一緒にピエス
モンテを運んでいく。


あたし達サポートチームは、
それを黙ってただジッと見守り
続けた。




そうして。




――あたし達の長かった1日が、
終わった。





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