《完》極上☆SWEETS!!② 〜蜜色の凱旋門〜

そのまま通り過ぎればよかった
のに、わざわざ声をかけたのは
――確かめたいことが、あった
から。


そこにはもうひとつ椅子があった
けど、さすがに並んで座る気には
なれないあたしは、その場に
立ったままおもむろに話し出す。


「昼間の、矢崎さんの試作品。

お店でメニューになってるもの
とは、フンイキが違ったわね」


ピクッと矢崎さんの眉が動いた
のを、あたしは見逃さなかった。


その態度に、あたしの胸に静かな
確信が生まれる。


「そりゃあね。

ワンパターンな物しか作れない
ようじゃ、腕の方も高がしれてる
って思われるだろ」


なんて、もっともらしいこと
言ってごまかそうとしてるけど
――。


「意識して作風を変えたって
言うつもり?

たしかにそうかもしれないけど、
それだけじゃないわよね」