《完》極上☆SWEETS!!② 〜蜜色の凱旋門〜

あたし達の背後……すぐ傍の
横断歩道を向こう側から歩いて
きた人物が、少しだけ驚いた表情
を浮かべて、こっちを見てる。


……爽介の名前を呼んでたけど、
あたしは知らない人だ。


20代後半〜30代前半くらいの、
スラッとした細身の男の人。


髪の毛が背中くらいまで長くて、
それを後ろでひとつにまとめてる。

男の人でこんなにロン毛の人、
初めて見た。


服は私服。

サラリーマンには見えないけど、
何してる人だろ?


あたしがことのなりゆきを見守る
べく、爽介に視線を戻すと――。


「……矢崎サン!?」


相手以上に驚いた顔で、爽介は
素っ頓狂な声をあげる。


「ナニしてんスか、こんなとこ
で!?」


「え、何って……今日はオフなん
だけど、ちょっとヤボ用でさ。

それよりキミこそどーしたん
だよ。

ひょっとして、僕の偵察?」


矢崎って呼ばれた男の人はそう
言うと、どこかニヒルな感じの
する笑顔で、フッと小さく笑う。